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包摂の変更点

-JIS X 0208は1997年改正で初めて規格内に明示的に包摂規準を規定しました。186の規準が定義されています。
+JIS X 0208は1997年改正で初めて規格内に明示的に包摂規準を規定しました。186の規準が定義されています。これは全く何もないところからいきなり作られたわけではなく、過去の版の規格の「解説」に記載されていた包摂の例や、文字集合自体に内在する字体認識つまりどのような違いに対して別区点を割り当てているかといったことを考慮して定義されています。
+ただし通常の包摂規準とは別に、83JISにおいて字体の大きく変えられた29の符号位置について、元の78JIS字体でも規格適合とするための救済用として特殊な包摂規準が設けられています(JIS X 0208:1997 6.6.4節)。例えば、18区10点の「鴎」は、78JISではへんが「區」であったのが83JISで変えられたものです。これは他の区点位置の例に照らせば本来JIS X 0208では包摂され得ない違いであることが分かりますが、83JISが不適当な字体変更をしてしまったため、特例として、旧規格の実装を規格適合とするためにこの2つの字体を包摂しています。
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+上記83JISの字体変更による特例の包摂規準は、JIS X 0213では削除されています。該当する29区点位置に対応する78JIS字体は、JIS X 0213において独立した区点位置が与えられたためです。例えば、上記「鴎」(1-18-10)の78JIS字体、つまりへんを「區」にしたものは、第3水準漢字として面区点位置1-94-69に配置されました。
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-ISO/IEC 10646はJIS X 0213ほど詳細な包摂規準を規定してはいませんが、CJK統合漢字においてどのような差異を統合(包摂)したかを説明している箇所があります。例えば上記のしんにょうの1点・2点が包摂対象となることがそこから分かります。
+ISO/IEC 10646はJIS X 0213ほど詳細な包摂規準を規定してはいませんが、CJK統合漢字においてどのような差異を統合(包摂)したかを説明している箇所があります(Annex S)。例えば上記のしんにょうの1点・2点が包摂対象となることがそこから分かります。
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+!!参考
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+* [JIS X 0208と0213規格票の包摂関連項目|http://www.aozora.gr.jp/hosetsu_kijyun/] (青空文庫)