人名用漢字
人名用漢字とは、子の名付けに使える漢字のうち、常用漢字表にないものです。別の言い方をすれば、子の名付けに使える漢字は常用漢字と人名用漢字の和集合です。
JIS X 0213と人名用漢字
JIS X 0213は人名用漢字を全て含んでいます。
JIS X 0213のサブセットであるJIS X 0208は、人名用漢字で区別されている字体のいくつかを区別せず包摂して同じ符号位置で表します。例えば、「渚」という漢字のつくりの「者」に点がつくかどうかは、人名用漢字の表には両方の字体が載っていますが、JIS X 0208は両者を区別せず単一の符号位置(29-77)で表します。一方、X0208の拡張規格であるJIS X 0213はこれを分離して、1-29-77は点のない「渚」専用となり、これとは別の符号位置1-86-87 (第3水準)に、「点のある『渚』」を追加しています。
Unicodeと人名用漢字
上記のようにJIS X 0213で分離された人名用漢字は、UnicodeではCJK互換漢字という扱いで追加されているものが多くあります。CJK互換漢字は、Unicode正規化の処理を実行すると、対応するCJK統合漢字に変換されてしまいます。
例えば、上の例の「点ありの『渚』」は、UnicodeではCJK互換漢字のU+FA46に追加されましたが、本来CJK統合漢字のU+6E1Aにて「点あり」も「点なし」も区別せず包摂されているものです。従って、Unicode正規化処理が行われるとU+FA46からU+6E1Aに変換され、結果として、通常の日本語環境での見え方としては「点ありの『渚』」が「点なしの『渚』」に変わってしまいます。
参考
- 人名用漢字と文字コードの対応表 - 当サイト。機械可読形式のCSVファイル。
最終更新時間:2024年03月30日 17時51分41秒