JIS2004
[カテゴリ:仕様]
JIS2004とは、符号化文字集合規格JIS X 0213の2004年改訂版の通称です。したがって、JIS2004の規定する内容についてはJIS X 0213の項を参照してください。
主な改訂内容
2000年に表外漢字字体表が国語審議会の答申として公表されたことから、JIS漢字コード規格の例示字形をこれにあわせることを主眼として改訂されました。
例示字形の変更は、包摂規準の範囲内であることから、既存の実装に影響を与える変更にはなりません。文字コード規格の例示字形はあくまでも例示であり、厳密にその形でないといけないというものではありません。この字形の変更に追随してもしなくても適合性には影響ありません。符号化文字集合規格は文字の符号化表現を定めるものであって、フォントデザインを定めるものではありません。
表外漢字UCS互換
ただし、表外漢字字体表にあわせるとUnicode (ISO/IEC 10646 UCS) との対応に問題を生じるものが10文字あったことから、これらについては独立した符号位置が新たに与えられました。これを表外漢字UCS互換といいます。
追加は漢字集合1面に対して第3水準漢字を10文字増やすという形で行われました。漢字集合2面には全く変更はありません。
附属書の符号化方式の名称
これに応じて、附属書1から3の符号化方式の名称が、Shift_JIS-2004, ISO-2022-JP-2004, EUC-JIS-2004と変更されています。2000年版ではそれぞれ、Shift_JISX0213, ISO-2022-JP-3, EUC-JISX0213でした。
エスケープシーケンス
漢字集合1面に文字が増えた都合上、ISO/IEC 2022の枠組みにおいてこの符号化文字集合を指示するエスケープシーケンスが新たに設定されています。一方、漢字集合2面については、変更がないことからエスケープシーケンスも2000年版のものをそのまま用います。
具体的なバイト列はエスケープシーケンスの項を参照してください。
JIS2004についての誤解
規格を読まずに書かれたいい加減な報道記事により下記のような誤解がたまに見受けられます。
- 「JIS2004はフォントの規格である」という誤解 → 「JIS2004の例示字形にならったフォント」はあり得ますが、JIS2004それ自体は文字の符号化表現を定める規格でありフォントの規格ではありません。
- 「JIS2004はUnicode」という誤解 → 規格を読んでいない全くの誤解。UnicodeはJIS X 0213とは全く異なる符号化文字集合規格。
最終更新時間:2017年04月15日 12時43分03秒