チルダ
[カテゴリ:記号]
チルダ (チルドとも。tilde) とは、ラテン文字の上につくダイアクリティカルマークの一種です。横線が波打った形をしています。
用法
スペイン語やポルトガル語でアルファベットのnやoの上につける形で用いられます。
主に鼻音を表すのに用いられます。
ASCIIならびにISO/IEC 646におけるチルダ
ASCIIとISO/IEC 646国際基準版においては、符号位置7/14 (0x7E)にチルダがあります。UnicodeならびにISO/IEC 10646における文字名はTILDEです。
ASCIIではバックスペースのような制御文字を用いた重ね打ちでダイアクリティカルマークを合成する使い方が (今はともかく、規格の文面からすると当初は) 想定されていたので、7/14を使ってスペイン語やポルトガル語の表記にチルダを使えた可能性があります。
ASCIIの規格においてチルダのある符号位置7/14の指し示すものは「tilde or overline」とされ、必ずしもチルダでなければなかったわけではありません。
一般には、プログラミング言語で演算子として使ったり、Unixでホームディレクトリを表したりといった用法の方が馴染み深いでしょう。
JIS X 0201におけるチルダ
JIS X 0201にはチルダはありません。
JIS X 0201の符号位置7/14は、(ASCIIとは異なり) チルダでなくオーバーライン (文字名OVERLINE)です。
ただし、実現字形としてはオーバーラインでなくチルダの形を取っても良いことが規格に記載されています。もともとASCIIの7/14の定義に「tilde (overline)」と幅があったことに起因します。
Shift_JISはJIS X 0201を拡張したものであることから、Shift_JISの0x7EもやはりJIS X 0201のオーバーラインです。画面表示がチルダ形であることは上記のように問題ありませんが、符号位置の意味としてはオーバーラインになります。
JIS X 0208におけるチルダ
JIS X 0208にはチルダはありません。
似た形の記号として1区33点の波ダッシュ(WAVE DASH)がありますが、これはダイアクリティカルマークではなくダッシュのように用いられる記号であり、取り得る字形がチルダとは異なります。チルダはアルファベットの上につきますが、波ダッシュはそのようなことはなく中央に配置されます。
JIS X 0208にチルダがないことは、補助規格のJIS X 0212、拡張規格のJIS X 0213のどちらも波ダッシュとは別にチルダを収録したことからも分かります。
JIS X 0213におけるチルダ
単体のチルダ記号
JIS X 0213は面区点1-2-18にチルダを収録しています。文字名TILDEです。
これはASCIIと同時に運用する符号化方式、例えばEUC-JIS-2004では、ASCIIのTILDEと重複するため、代替名称のFULLWIDTH TILDE (いわば「全角チルダ」) を用いることができます。
(1区33点の波ダッシュ WAVE DASH をUnicodeのFULLWIDTH TILDEに移す実装は誤りで (世間でいう波ダッシュ問題)、FULLWIDTH TILDEはEUC-JIS-2004におけるJIS X 0213のチルダやEUC-JPにおけるJIS X 0212のチルダがASCIIの7/14と重複するため用いるもの)
チルダつきのアルファベット
スペイン語やポルトガル語で用いられる、チルダのついたn, a, oの大文字小文字それぞれが収録されています。
結合文字
面区点1-11-93に、合成可能なチルダが収録されています。ただし、JIS X 0213の実装としてはこの結合文字が実際に合成できることは必須ではなく、基底文字との合成に対応しなくても規格に適合します。
最終更新時間:2023年04月25日 21時27分36秒